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「日本の近代建築を支えた建築家の系譜」改訂再発刊

  • 2024.1.16
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2012年に発刊した「日本の近代建築を支えた建築家の系譜」が7年分の記事を追加し、新たに発刊!

建築学部同窓会会誌「NICHE」が13年間連載した、類州環氏執筆「輝かしき先輩達」を軸に、藤森照信・茅原健、両氏が工手学校の教育と生活を語る!

 

外部の研究者達も加え「工手学校⇒工学院大学」の日本の近代建築の新しい系譜がいま明らかになる。この誇りある記録は、改めて日本初の中堅技術者教育機関として、工手学校が果たした大きな役割を世に問う。

 

今回新たに7年分の記事を追加し、新たに増補版として発刊します。イラスト入りで解りやすい単行本としてまとめられています。今回は前会長の田野邉様のご寄付で制作され、学生、卒業生に配布されます。現在、増補版は書店、アマゾンでは販売しておりません。

はじめに

 

工学院大学の前身である工手学校は、1887年(明治20年)に創立され、昨年の10月31日に創立135周年を迎えました。改めて日本の近代建築を支えた先輩達の活躍を現役学生の皆様にお伝えして、次の世代の建築家を目指して頂きたく、加筆して本書を再発刊しました。

 

初版『工手学校ー日本の近代建築を支えた建築家の系譜ー工学院大学』(彰国社)は、 2012年工学院大学創立125周年と日本初の「建築学部」創設を記念して、工学 院大学建築学部同窓会が出版致しました。本書はその後も同窓会誌『NICHE』に 継続して掲載された約7年分の記事等を追加し、今回新たに増補版として発刊するも のです。

 

明治維新から日本が目指した近代化が、技術教育にどのように取り組み、当時の学生がどのような情熱をもってそれに応えたか?・・・卒業生達の活躍を通して「建学の精神」を見つめ直す良い機会であると考えております。

 

巻頭では近代建築史家の藤森照信教授に、創立当時の教育環境を語って頂きました。それは日本の近代建築の基礎を築いた辰野金吾をはじめ大変豪華な教授陣によってなされたという事実です。この記述から卒業生達の活躍ぶりとその系譜が初めて明らか になりました。

 

工手学校の歴史に造詣が深い茅原健先生には、その筆致の中で創建当時の明治とい う時代背景と、造家学科(建築学科)の学生達の授業や生活環境について生き生きと語って頂きました。

 

築地の木造校舎は創立後、僅か9年(明治29年)で焼失しました。しかし、明治天皇の下賜金及び渋沢栄一氏ら経済界の支援も得て校舎が短時間に再建されたことは、 既に工手学校が国家的及び社会的に大きな役割を担っていたことを物語っています。その校舎も関東大震災(大正二年)で再び灰灰燼に帰し、昭和3年に現在の新宿西ロの地へ移転する歴史へと繋がっていきます。

 

第Ⅱ章には、類洲環氏(1968年卒 本名伊藤真人)による連載記事「輝かしき先輩たち」を収録しました。氏は全国に建築された作品を毎年訪ね歩きそれぞれの人物像と人間模様をあぶり出し蘇らせました。

 

最終章では、外部研究者の方々が日本近代建築の隠れた系譜を綴り、工手学校から現代へのつながりを幅広い視点で紹介しています。

 

工手学校(明治21年から昭和3年)の当初の就学期間は、夜間だけの15ケ月でした。いくら時代の要請があったとは言え、今では信じ難い速習の専門教育環境です。 しかし、当時の勤労学生達は、精一杯基礎技術を習得し、優れた教師の熱意と期待に応えて大きく成長されました。

 

この度の再発刊に、ご尽力いただきました鈴木敏彦教授(1984年大学院卒)と谷口宗彦名誉教授(1971年大学院卒)に感謝申し上げます。

 

田野邉幸裕(工学院大学校友会元会長、同大学元理事)

 

1.設立の背景

設立の背景

2.工手学校の開校

工手学校の開校

3.耀かしき卒業生の輩出

耀かしき卒業生の輩出

4.工手学校から工学院大学へ

工手学校から工学院大学へ

 


 

あとがき

日本の近代建築を支えた建築家の系譜 工手学校ー工学院大学 2024年 1月16日 第1版発行

編者 NICHE(工学院大学建築系同窓会誌編集部)

発行 工学院大学建築系同窓会

編集 株式会社ATELIER OPA

アートディレクション 鈴木敏彦

ブックデザイン 舟山貴士

印刷製本 渕上印刷株式会社