第4回これからの建築士賞 受賞のお知らせ
「白樺湖 夏の家」の保存と継承/建築を保存する会
このたび、「建築を保存する会」による「白樺湖夏の家」の保存と継承の活動が評価され、「第4回これからの建築賞」を受賞しました。本賞は、一般社団法人東京建築士会が、建築士としての多様な立場を通じて行った未来につながる社会貢献に対して、その活動・業績を担った建築士もしくはそのグループを顕彰するものです。
これまでお世話になりましたすべてのみなさまに、心より感謝申し上げます。
(建築を保存する会 会長:鈴木敏彦)
長野県茅野市白樺湖畔にある工学院大学が所有していた学寮は、昭和30年代から増改築しながら運用されてきましたが、2015年度をもって廃止・解体の方針が示されました。これに反対し、存続を訴えるために工学院大学の卒業生を中心に組織されたのが「建築を保存する会」です。
工学院大学白樺湖学寮は、学生と地元住民との交流をきっかけとして造られた小さな小屋から始まり、歴代の建築学科教員(天野太郎、武藤章、南迫哲也)による設計で増改築がなされ、最終的には武藤・南迫のプランでまとめられています。学生たちの思い出というだけでなく、工学院大学建築学科の歴史そのものであり、特に早逝した武藤章の作品として貴重なものです。
大学との交渉の結果、工学院大学校友会に施設を譲渡されることが決まり、運営は「建築を保存する会」が担当する運びとなりました。運営にあたって、会の体力に見合った規模に減築し、会員の別荘として利用できる設備、備品を揃えました。日本人で唯一アルヴァ・アールトに師事し、北欧建築の紹介者として知られる武藤章の建築と思想を継承するため、新規の家具備品は全てアールトがデザインしたものとしました。
また、定期的に北欧をテーマとするイベントを開催し、新たな学びの場として活用しています。
「建築を保存する会」
南迫哲也、北澤興一、谷口宗彦、田野邊幸裕、河野工、柴田卓次 、関根久雄、石川 啓司、小俣光一、森田達志、鈴木敏彦、香川浩、平井充、関谷 重彦、後藤治、武藤かおり
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