建築を保存する本01 工学院大学八王子図書館/武藤章
編著:NICHE
単行本: 256ページ
発売: Opa Press
定価:2,700円+税
サイズ:29.9 x 22.2 x 1.8 cm
ISBN-10: 4908390002
ISBN-13: 978-4908390005
発売日: 2015/12/15
八王子キャンパスの再開発により解体された八王子図書館の記憶を後世に受け継ぐため、工学院大学建築学部同窓会は『建築を保存する本01』を12月15日に発刊しました。
1979年12月に竣工した八王子図書館は、工学院大学の教授を務めた故 武藤章氏(1931-1985)が設計した代表作品の一つです。武藤先生は、20世紀の建築・デザイン界を代表するフィンランドの巨匠、 アルヴァ・アールト氏(1898-1976)に直接学んだ唯一の日本人建築家で、八王子図書館には北欧の建築の特色が色濃く現れています。しかし、八王子キャンパスの再開発にともない、2015年10月に八王子図書館は解体されました。建築学部同窓会では八王子図書館の保存を強く訴えてきましたが、様々な理由によって解体を阻止できない現実を直視し、改めて建築の記録と保存の方法を模索する中で「建築を保存する本」の発行を決意しました。2015年12月15日に発刊し、丸善出版株式会社より全国配本の運びとなりました。関係者の皆様には多大にご協力いただきましたことを改めて感謝申し上げます。
工学院大学建築学部教授
建築学部同窓会会長
NICHE編集長
鈴木 敏彦
武藤章先生は1961年にフィンランドに渡り、アルヴァ・アールトの事務所に入所します。
当時、アールトはフィンランディアホールを手掛けていました。武藤先生は北欧の設計手法をここで学び、イタリアの設計事務所を経て帰国しました。
本書では八王子図書館のさまざまなディティールを撮り下ろしの写真と図面で紹介しています。
明るく光に満ちた図書室の天井はなだらかにカーブしていました。
テーブルライトや椅子や机もすべて武藤先生がデザインしました。
この建物は2015年10月に取り壊されましたが、本書には実施設計図の意匠図一式108枚をすべて収録しています。
本書があれば、八王子図書館を復元、再建することは不可能ではありません。消えゆく建築の詳細を保存することにより、後世に建築の思想を伝える一助になることを願っています。
「建築を保存する本01 工学院大学八王子図書館/武藤章」は、全国のジュンク堂ほか大手書店にあります。写真は三省堂書店(東京・神保町)です。
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本書の出版を祝う会を11月25日に開催しました。記事はこちらをご覧ください。